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「Stoked」 映画レビュー 「Stoked」写真
タイトル:「Stoked」(ストークト ゲイターの栄光と転落)
発売日:2004年10月22日
価格:\3,990円 (本体価格:\3,800円)
商品番号:NODD-00034
仕様:本編約85分|日本語字幕|ドルビー2.0chステレオ
制作:2003年 アメリカ
発売・販売元:ナウオンメディア株式会社
URL: http://www.nowondvd.net/products/stoked/
マルC:(c) 2002 HMS Projects, Inc
<出演>
マーク・“ゲーター”ロゴウスキ、トニー・ホーク、ステイシー・ペラルタ、ランス ・マウンテン スティーヴ・キャバレロ、ジェイソン・ジェッセ、スティーヴ・オルソン、トッド・ スワンク、 エド・テンプルトン、クレイグ・ジョンソン <STAFF> 監督/プロデューサー:ヘレン・スティックラー、 編集:アナ・エステロブ
 
<関係者>
シェパード・フェアリー(グラフィティアーティスト)、モーフォー(元「THRASHER マガジン」フォトグラファー) ランディ・ジャンソン(元 Gullwing Trucks チームマネージャー、スケーター)、 ブラッド・ドーフマン(スケート ブランド“Vision”の設立者)、ジェフ・ニュートン(スケートボードブランド Zorlaの社長)、ブランディ・マクレイン (ゲーターの元婚約者) 他
1980年代アメリカ。当時の若者が熱狂したスポーツは野球でもサッカーでもなく「スケートボード」だった。当時のスケーターはロックスター並の扱いで、スケートボードはもはやひとつの流行ではなく文化であった。これはそんな時代のスターの栄光と挫折のドキュメンタリーである。

マーク・“ゲイター”・ロゴウスキー。来日したこともあるカリスマ・スケーターなので、スケボーを手にした人なら一度ぐらいは名前を聞いたことがあるであろう。80年代に突如として現れた彼がカリスマとなり、やがて挫折していくまでを、彼の音声インタビューや友人、知人、元婚約者などの証言から振り返っていく。

物語はまず彼がスケートボードを手にしてプロになるまでを追っている。当時は十代の多くがスケートボードを持っていて、小さな町でも次々とスケボー用のパークが建てられ、スケボーは言葉よりも分かり合える、共通言語のような文化であった。スケーターの存在価値は高く評価され、彼らが“トリック”を披露するビデオは爆発的に売れ、子供達の中ではプロを夢見るのが当たり前の時代だった。

ゲイターももちろんその一人。映画の中では当時のスケーターファッションや音楽などがわかりやすく説明されている。日本の裏原系ファッションはこの頃の影響をものすごく受けているので、今見ても新鮮であり、カッコイイ。
「Stoked」写真
ゲイターはやがてスポンサーがついて、町のヒーローから全米のスターになっていく。彼が時代を台頭してきたことによってスケボーは“ビジネス”になり、全世界的なムーブメントになっていった。

その頃になるとスケーターのイメージも様変わりし、保守的なアメリカ社会から見ると、彼らは左翼的に映ったようだ。プロで成功するにはスケボーをうまく乗りこなすだけでなく、技術が高い上で“クール”なことが必要だった。ゲイターはまさしくその典型で、彼が警察を殴ったり、何か事件を起こすのと比例して、人気も上がっていった。「僕は違法スケーターのトップランクに入ると思うよ」と彼が当時のテレビの中でも語っているように、世間の子供たちは彼の暴力性や傲慢さに協調していた。

しかし、そんな時代も変わりつつあった。皮肉にも、スケボーが普及するにつれ、街の至る所でスケボーを楽しむ子供たちが増え、その中から“ストリートスタイル”という新しいカタチが形成されていったのだ。ゲイター達が人気を博した「バンク」というスケボー用の障害物を使ったスタイルはみるみる廃れていき、いつしか彼らはストリートスタイルのヒーロー達の影に隠れてしまった。

そんな中ゲイターは自分の好きなスケートボードによって得た傲慢と挫折に悩み、“殺人”という取り返しのつかないことをしてしまう。ここで一番印象的なのが、それまでに証言に出てきた有名プロースケーターにまじり、ゲイターの事件を捜査した警官や検察官などが出てくること。彼が起こした事件の重さが伝わってくる。 この後、ゲイターに関連した様々な人たちが彼の起こした事件の背景や責任について言及していくのだが、そこは発売されているDVDを見て確認してほしい。

映画全体を通して見ると、当時のサブカルチャーや熱狂振りがすごくわかりやすい。もっと多くの人に見てもらいたい映画だと思う。ドキュメンタリーだから当たり前なのだけれども、すべてが事実だし、切の良いエンディングではない。
「Stoked」写真
それは多くの日本人が「華氏911」などのドキュメンタリー映画を見ていることを考えると、問題ではないと思うが、当時のアメリカファッションが今の日本人の若者にも浸透していることを考えると、すごく親身で切実な気になる。

多くの心構えが必要な映画ではないし、それを人に強要する必要はないのだが、当時のカルチャーを見るだけでも面白いし、ゲイターが抱えていた問題を理解することですっきりする部分もある。とにかく僕は見終わった後にスケボーがしたくなった。

(TEXT:青木 思生)
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